しかし、キャラクターが一人歩きをする、と言っても
勝手に動き出すわけではなく、
作者である僕の「その時の心情」が根本となる事は確かだ。
僕は阪神ファンなのだけど、この文章を書き始めた2012年の秋は
金本選手と城島選手が引退した。
そして2013年だと檜山選手。
各選手とも、明るさや気の強さが印象深かったから、
引退会見やセレモニーでの涙には素直に心打たれた。
いや、心打たれたと言うのかなぁ。なんだろうなぁ。
同世代感覚? 自分もそれなりの年齢になってきたから、
心が弱くなってしまったのかな…
とにかくズーンと鈍痛のようなショックを受けた。
でも、自分がそれなりの年齢になってきたからこそ思う事があるのです。
本当ならば、自分が追求してきた事に対しての
考え方とか哲学と言うのかなぁ、
そういうものは歳を重ねるごとに
どんどん研ぎすまされていっているはずなのです。
でも体を使ってそれを表現する場合は、
研ぎすまされた感性に反比例して表現力が落ちてしまう…
アスリートとはそういう運命にあるのだな、と。
そんな事を考えていた時に、唐突になぜか思ったのです。
あ、マドロネックサンが引退してしまう、と。 |