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カミロボのキャラが、この春、あのメキシコ・CMLLのリングにおいて、CMLLのトップルチャドールがキャラに扮してのカミロボファイトまで実現! そこで今回は、現・CMLLミドル級王者であり、プロレス界一、フィギュアや工作が大好きな獣神サンダー・ライガー選手とカミロボ作者・安居智博が初遭遇してヒートアップ! カミロボの紹介から、造型に対する思い、そしてCMLL話など、存分に語りまくった対談を前後編でお届け!
獣神サンダー・ライガー選手×安居智博 対談の後編はコチラ! |
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いきなり意気投合!? 「ライガーさんはタモリさん」 |
――お二人とも、今日はよろしくお願いします!
安居 いや〜、緊張してます。あのライガーさんと、こんな至近距離でお話できるなんて……。
ライガー 至近距離って(笑)。僕も安居さんは、原型とか玩具のお仕事もされてるというので、凄く楽しみでした!
――ライガーさんもフィギュア制作が趣味ですし。
ライガー そうだよ。だから、僕も緊張してますよ! 若干顔色も上気して……(笑)。
安居 ハハハ! 顔を赤くされて(笑)。
――では、まずライガーさんは、この闘う紙人形“カミロボ”のことを最初に聞いて、どう思いました?
ライガー 最初は、「紙粘土なのかな?」と思ってね。でもプロレスまでやるなら、「関節とかどうなってるんだろう?」と凄く不思議で。だから、そのへんのことをジックリ聞きたいですね。
――一方の安居さんは、大のライガーファンと聞いてます。
安居 もちろんです。
ライガー いや〜、そんなさ、二人で対談したら嫌いとか言えないって(笑)。
安居 いやいや! 昔から大ファンです(笑)。とくに自分が印象深いのは、初期の『SUPER J CUP』の試合とか保永(昇男)さんとの抗争とか。
ライガー よく見てるねぇ。でも、俺が負けた試合が多くない?(笑)。
安居 いやいや、というのもライガーさんって、『笑っていいとも!』のタモリさんみたいな存在だと思うんですよ。
ライガー ハハハハ!
安居 ライガーさんを“軸”に、誰とどういうふうに闘っていくかを見るという感じで。ライガーさんを中心にジュニアの世界が見えてくる。自分が前に出ることもあれば、新しい選手をサポートしてあげたり。
ライガー いいねぇ。大きく書いておいて! やっとわかってくれるライガーの理解者が出たって(笑) |
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ライガー興奮!「安居さんは、違う意味で“関節の鬼”だね!」 |
――そもそも最初、カミロボはどういうものだったんですか?
安居 最初は、針金をよじった針金人形だったんです。これは小学校2年のときに作りまして……(写真を見せる)。
ライガー ああ〜、こりゃ凄いわ!
安居 針金人形に、マントやライフルを付けたり、キャラを作ってたんですけど。3年生の頃、紙が主体になって、針金で関節を作るいまのカミロボになって。
ライガー へぇ〜。(人形を凝視しながら)。なんで、こういう関節の留め方を思いついたんですか?
安居 この針金の留め方は「発明」と言ったらアレですけど。雑誌の付録とかについていた“はとめ”という部品を見て「同じように作れないかな?」と。いまでは、カミロボ好きの子から“安居締め”と言われてるんですが(笑)。
ライガー 安居締め!! しかも、その留め方は受け継がれているわけでしょ?
安居 ええ。で、この関節を増やせば、全身が動くんじゃないかと思って、小4年から小5は、ひたすら関節を増やすことに没頭して。
ライガー いや〜、違う意味で“関節の鬼”だね!
――藤原喜明さんばりの“関節の鬼”(笑)。
安居 凄くいい言葉を頂きました(笑)。
ライガー ……でも、こんなことやってたら、勉強全然しなかったでしょ!
安居 授業中も、ストローを使った関節の方向を考えたりしてましたね(笑)。
――ちなみにライガーさんは、その頃は何を?
ライガー え〜っとね、小学校5、6年は園芸部!(キッパリ)。
安居 園芸部ですか!?
ライガー うん。園芸部で女の子たちと花とか野菜とか作ってましたよ。だって、小学校の卒業アルバムは、じょうろ持ってますから(笑)。
――安居さんみたいにモノを作ったりは?
ライガー 作ったねぇ。ただ、僕らの頃は、近所の駄菓子屋の店先で接着剤でベタベタになりながら、プラモデル作ったり。戦車や飛行機、怪獣を作ったり。……でも、安居さんは、小6の時点で、カミロボを完全に自立できるようにしてるんでしょ?関節もメチャクチャ増えてるじゃん?
安居 あ、シッポがついてるのもありますよ。
ライガー うお! スゲーー!(興奮して)。
――怪獣好きとしては、シッポ付きはたまらない?
ライガー ムラムラきますねぇ(笑)。
安居 で、そのあと、プロレスブームの時期に繋がるんです。プロレスの影響で、自然にカミロボ同士で闘わせてみたら、紙独特のしなりとかゆがむ感じ、チョップしたときのバウンド感、それが金属やプラスチックのおもちゃでは味わえない。プロレスのリアリティに繋がるなって。
ライガー なるほど〜。
安居 一気に世界が広がって。そこから大量に作ることになるんですが……(カミロボがたくさん入った箱を出して)。
ライガー ちょっ……。これ、大量すぎないか(笑)。
安居 中学に上がるとき、「こんな幼稚なことやってちゃダメだ」と思って一度は自主規制したんですけど、また再開して、30すぎまで1人で作り続け遊び続け……。それが、30すぎて広告のディレクターさんがおもしろがって、「発表してみないか?」と。それで展覧会とか演劇とかプロレスのイベントまでやるようになったんです。
ライガー でも、それは「なるべくしてなった」ということだよね。 |
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“怪獣造型”マニア、ライガーがその造型愛を告白!? |
――ライガーさんの趣味の造型の話も少し聞きたいんですが?
ライガー 僕は、ガレージキット(少数生産される組み立て模型のキット)が出始めのときに出会って。その頃は国技館が両国じゃなく、蔵前のほうにあったんです。そこにおもちゃ問屋とかがいっぱいあって、ゴジラとかウルトラマンとかバルタン星人とかが飾ってあって……。
安居 いわゆるリアルホビーですね。
ライガー そうそう。「こういうのまだあるんだ!」と感激して。実際は新しく出てたんですけど。そこでガレージキットを知って。それを売ってる「ボークス」という店が京都にあるのを知って……よく行ったなぁ。
――最初は作られたものを買うだけだった?
ライガー ええ。で、そのうち僕の造型の“師匠”荒川さんという人から、「自分でやってみたら?」と言われて、教えていただくようになって……もう20年くらい作ってますね。いまでは『ワンフェス』(フィギュアの祭典)まで出店するようになって(笑)。
――新日本道場のライガーさんの部屋は、自作の怪獣だらけですし(笑)。
ライガー 材質は、粘土とかラドール(石塑粘土)ですけど、いつも師匠に文句を言われて、「また、作り直します〜!」と(笑)。160センチぐらいのサイズでゴジラとかウルトラ系の怪獣なんかを作ってます。
安居 僕もカミロボと並行して、趣味でラドールでゴジラを作ったり、あるフィギュアの会社で、仕事を請けたりしてるんです。
ライガー スゲー! どういうものを作ってるんですか?
安居 いまは、○○○のソフビを作ってますね。
ライガー なにィ〜!!(立ち上がって)。凄いっ!
一同 ワハハハハハ!
――ライガーさんは、造型を作っているとき、何が一番楽しいですか?
ライガー グーッと深くのめりこめるし、うまくいくと、「おおっ!」と盛り上がるし、資料や写真を見て修正したり。最終的に“自分のもの”ができるのがいいよね? カミロボも、最初はゼロからの出発じゃないですか? そこに熱中できるのは素晴らしい。ホントに時間なんかあっという間に過ぎますよね? ふと気づいたりすると、妙におしっこに行きたくなったりして(笑)。
安居 よくわかります(笑)。 |
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「わかるわかるわかる!」ライガー、カミロボの試合に大興奮!! |
――ここで、カミロボを実際に闘わせてみて、もらっていいですか?
安居 ハイ。ライガーさんの前だと緊張するなぁ……。
ライガー じゃあ、このサンダータイガーってキャラを、タイガーって名前だからやられるほうにして。あと、ライガーみたいな選手いないですかね?
安居 あ、このキャラは、ライガーボムが必殺技なんですよ。
ライガー いいねぇ! じゃ、やっつけちゃってください!
安居 じゃ、失礼して……(カミロボ同士で、技をかけ始める安居さん)
ライガー お! それっぽい動きになるね?
安居 で、首とかがこういう感じになって(関節を動かし、大技をかける安居さん)。
ライガー うおおおおお! ……わかるわかるわかる!(大興奮して)。
一同 ワハハハハハハハ!
ライガー いや、「手で闘わせて、そんな興奮するもんかな?」とも思ってたけど……わかるわかるわかる!
安居 で、この人の必殺技は、ストリートボムというライガーボムなんですが……。
ライガー ワン! ツー! スリー! いや、リアルだねぇ〜。感情移入もメチャクチャできますね!
安居 じゃ、ライガーさんもどうぞ、やってみてください。
ライガー いいの? じゃあ、ちょっと山本さん(カメラマン)、ジャーマンいこうか?(ジャーマンのかたちにセッティングして)。うおおお! ジャーマンじゃん!(鼻息荒く)。
一同 ワハハハハハ!
ライガー いや〜、これ僕らの世代はもちろんだけど、子どもにも絶対に受けるでしょ?
安居 展覧会で一緒にカミロボを作るワークショップとかもやってるんですけど、かなり評判いいですね。
ライガー いまの子は、コンピュータばっかりで、「自分で手を動かす」ことがないじゃん? 自分でキャラ作りして、作って遊んでってのは、食いつきますよ? お父さんは昔を思い出して食いつくだろうし。俺もすでに食いついてるもん(笑)。
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