青木克憲(あおき かつのり)
クリエイティブディレクター、バタフライ・ストローク・株式會社代表取締役。65年東京生まれ。サン・アドを経て、99年バタフライ・ストローク株式會社設立。広告のみならず、グラフィック、映像など活動範囲は広く多岐にわたる。企画立案から表現まで幅広くこなせるディレクターとして、またカミロボをはじめ、コペット、ハットトリックス、にじぞうのディレクター・プロデューサーとしても活躍中。


──それでは早速ですが、ここでは2006年11月に東京・表参道ヒルズにて行われた画期的イベント「カミロボファイト・魔王vs.ブルーキラー」について、その舞台裏を語っていただくというインタビューです。まずは、お二人に、なぜこのイベントをやることになったのか、事の発端からお聞きしていきたいと思います。

青木 2005年の夏に、プロレスの聖地「後楽園ホール」で、カミロボファイトを人前で、しかもライブで公開するっていうイベントをやって……終わった後に、その感触が非常によかったので、引き続きこういうことはやって行きたいね、って話がありまして。その後も、後楽園ホールでやり切れなかった事とかを考えたりして、少しずつ話したりしていたところから、すでに始まっていたと思うんですけど……。その後、何回か安居君と会ったりする時に、具体的ではないにせよ、こういうイベントの話はあったんだけど……。

──やはりまずは、後楽園ホールありき、ということですかね。安居さん的には、どうだったんですか、後楽園ホールでの体験というのは?

安居 当時、展覧会とかでカミロボを並べるだけでも、かなり自分の内面をさらけ出してる感じで恥ずかしかったんですけど、後楽園は……もう、石をいきなりめくられて、突如陽の光を浴びせられたダンゴムシ、みたいな感じでしたね(笑)。

──ダンゴムシ、ですか(笑)。でもそれが終わったあとに、もっとやって行きたいなっていうのは、安居さんんも同じお気持ちだったんでしょうか?

安居 ええ。でも、次の段階として「演劇」というテーマがあったり、さらに複雑な感じになる……“もう一段階先に進む”という感じが、最初はよくわからなかったですね。

──その「演劇」=芝居というテーマは、青木さんが出されたものですか?

青木 そうだと思うんですけど、後楽園の時には、なんとなく安居君の「カミロボファイト」と、みちのくプロレスさんによる生のプロレス、それとトークショーっていうパーツが、実際とてもよかったとはいえ、ある種分断された感じっていうのがあって。もちろん、それぞれのパーツとしては成り立っていながら、もうすこし、ひとつのものとしてやる事が出来ないかなぁと感じていた訳です。で、カミロボファイトとプロレスを、演劇みたいな事でつなげられないかな、と。

──カミロボのイベントとしての“固まり感”みたいなものがもっと欲しかった、と?

青木 あと独自の、カミロボのオリジナルの展開の仕方っていうか、そういう感じが欲しかったというか……。まあ、演劇とプロレスとさらにひとり遊びが当時に展開するものってなかなかないので……。

──いや、なかなかっていうより、全くないですよ。史上初ですから(笑)。

青木 (笑)まあ、やってる人はいないので、そういうものをひとつのイベントとしてつなげることで、カミロボオリジナルの見え方みたいなものができるといいな、とは思ってましたね。

安居 だから、それをどうイメージしていいか、最初わからなかったんですよね。「これってどういうことなのかな?」っていうのがありましたね、スタート当初は。

──今回のイベントで関わることになる劇団の方々とかは、やはり元々イメージがあって、探していかれたんですか?

青木 思い返すと、後楽園ホールのDVDを作っている時点で、すでにコロムビアの人とかにもいろいろ話をしていたので、結構前から模索してはいたんですけど、なかなかそういうつながりがなくて……。そういう意味では、運良く「ヨーロッパ企画」さん(注:イベントでお芝居を担当した劇団)さんとの出会いがあって、それがよかったと思いますね。「ロボット」さん(注:今回のイベントの制作を担当した会社)の紹介で。そう思うと、最初なかなかイメージがつかみづらかったこのイベントにプラスするというカタチで、「予告映像」を作ろうって企画が持ち上がった時点から、かなり具体的になっていったんだと思いますね。


── 「居酒屋ブルーキラー」が題材に選ばれたのも、その時点だったんでしょうか?

青木
 「居酒屋ブルーキラー」というリング以外の設定っていうのが、そもそも存在していたっていうのが大きいですね。最初のカミロボ展覧会の時に、安居君にジオラマというカタチでそれを具現化してもらったんですけど……。安居君の頭の中にある世界、リングとレスラーっていう世界は、カタチとしてあるから周りで観ていても共有できるんだけど、それ以外の設定っていうのは、なかなか話だけではわからないところもあって。だから、「居酒屋ブルーキラー」は、そのジオラマを作ってもらった事で具現化したので、かなりわかりやすく理解できたっていうか。そもそも後楽園の頃から、ことあるごとにいろんな人から、「居酒屋ブルーキラーって面白いよね」って言われてたんですね。多分プロレスっていう世界観とか、レスラーがいっぱいいるって事も面白いんですけど、「居酒屋」っていう設定によって、そこからさらに広がっているって事が明快にわかるっていうか、理解しやすかったんじゃないかな、と。

── 安居さんは、「居酒屋ブルーキラーで行きましょう」となった時にはどういう風に感じたんですか?

安居 えー、僕が思ってるプロレスのうまみ、かっこよさみたいなもの……「お前をぶっつぶすぜ!」みたいな感じで、リング上で対決するってだけじゃないって事が、ちゃんと伝えられるネタになってるなぁっていうのがあって。それはいいなと。

── 大賛成ってこと?

安居 プロレスとキャラクターが好きな人ってなった時に、大体タイガーマスクとか、キン肉マンとか、あーいうかっこいいもの=ヒーローを描くようになるのが普通だと思うんですけど、そんな居酒屋なんていう設定が出てくるってことは、「変なところに価値観を見いだしてるなぁ」って、元々自分でも思ってたんで、そーいうものをカタチにできるってことは、きっと面白いだろうなって。

──あの予告篇はどのくらいの期間で作られたんですか?

安居 撮影は3日、ですかね? 

──3日ですか!?

安居 3日だったんですけど、スケジュール表みたら、27時とか28時とか普通に書いてありましたけど(笑)。そーいうやり方で3日って意味で。僕自身、そういうやり方には慣れてなかったんで、「なんじゃこりゃ!」みたいな(笑)。

──予告篇には、安居さんは脚本から関わってたんですか?

青木 おおまかな流れについては、安居くんからレクチャーしてもらって、もしそれを映画にするなら……というアプローチで、監督の上田(大樹)さんに要素を考えてもらったんですよ。こーいうパーツがあるといいんじゃないか、っていう風に。そもそも、予告篇っていうやり方がよかったなって思うんですけど、要はストーリーを描く訳じゃないんで、パーツ毎の設定がわかればよくて、そこに大きなストーリーはいらないじゃないですか。だから、パーツ毎の見え方を出してもらう事で、話としてはよくわかんないんだけど、全体像としてはわかる、みたいな……。

──「予告篇」というカタチのいいところが、非常にうまく作用する事になったんですね。実際、観る方も、あれでイメージが相当広がりましたからね〜。

青木 話が飛んじゃいますけど、最初話する時点では、ホントにやるかやんないかわかんないような話をずっとしてる訳じゃないですか。それをなんらかのカタチに具現化してかないと、実感がわかない……みたいなことがいろいろあって、思い出したけど、ロボットさんより先に上條安里さんっていう美術の監督にセットをお願いしたのが最初ですね。

──あの1/1スケールの「居酒屋ブルーキラー」ですか? あれを(何にも決まらないうちに)真っ先に作っちゃったんですか!?

青木 そう。「居酒屋ブルーキラー」のジオラマを、そのまま人間が入れる大きさにして、それがどういう空間なのかっていうのは、最悪イベントができなかったとしても、そのセットは展示でも使えると思ってたので。そうすると、自分がカミロボと同じ大きさになったら、どういう風に見えるのかがわかるっていう事としては、十分意味があると。ディテールはまだ詰まってなかったとしても、とにかくセットを作るみたいな話から始めたわけです。

安居 だからもう、どこに向かって行くのかな……みたいな感じだったんですよ(笑)。
──プロジェクト自体が、そういう具体化作業をひとつずつやりながら進んでいったわけなんですね〜。

青木 そうですね。あと、安居君が考えている事をカタチにしていく上で、どこまでできるかって事がなかなかわからないじゃないですか。そうすると、おおまかなストーリーも出てこなかったりするので。美術監督の上條安里さんって、丁度その頃映画『ALWAYS三丁目の夕日』で、アカデミー賞とかも穫っていらしたんです。で、そんな方にお願いしますよって決まって事実関係を作っちゃうと、プレッシャーも生まれるっていう(笑)。そうすると「あ、やらなきゃいけないな!」っていう使命感も生まれてくるわけです(笑)。

──安居さんもプレッシャー感じてました?

安居 プレッシャーっていうか、どこに向かって行くのかってことですよね。(セットの)出来上がりをチェックに行くって言われて現場にいったら、スゴいスタッフの方々がいっぱいいらして、「どうよ!?」っていわれて、「いやぁ、これはこれでできましたけど……これ、どーすんのかな……???」って(笑)。

青木 でも当時、同時進行で予告篇の製作も進んでいて、そことの整合性もあんまり取れてなかったんですよね。だから、予告篇を撮るって言ってて、セットもできていて、これはどーすんだって感じは、安居君にもあったかもしれませんね。


──あの失礼ですけど、ひょっとして青木さんって、物事考える前にとにかくやっちゃうタイプだったりしますか……?

青木 そうですね(笑)。

安居 いや、一緒にやっていると、ホントに面白いんですよ。でも、それで大丈夫かな、みたいなところもあるんですけど。

青木 今回イベントで配布した「ビジュアルブック」なんかもそうで、安居君が作ってくれた(プロレスの)マスクがすごくいい、って事になりますよね。で、それを劇団の方とか、実際のレスラーの方とかに、かぶってもらう事になる訳なんですけど、そもそもカミロボの世界って、日本人だけの世界じゃない。全体的にいうと“無国籍”な感じですよね。だから、じゃあモデルさんを使ってやってみよう、みたいな事もやってたよね(笑)。

──確かにあのビジュアルブックも新鮮でしたね。カミロボが実際に肉体をもったら、こんな風になるのかぁって、改めてわかったというか。

青木 それでも急にやってたりするから、ドンズバじゃない。実は、モデルさんの体格の事情とかもあって、安居君と「フジヤマ」が並んだ写真とかはそうでしたけどあとから画像的に処理をしたりもしましたよね。「イメージ的には、フジヤマってもっと背が高いでしょ?」とかいう風に。そういうシュミレーションで空想の世界をどんどん具現化していった、っていうのはありますね。

──なるほど〜。しかし、ほんとに走りながら(笑)決めてったんですね〜!!

青木 このビジュアルブックには、そういうのが結構あって、仕上がりと撮影した写真とは、かなり違うものだったりします(笑)。

──後から、イメージに合わせて合成したりしていったわけですね。

青木 もちろん、そのまま撮影時のままって事もあったんですけど。

──そもそもビジュアルブックの企画は、いつ頃始まったんですか?

青木 もう最後の方でしたね。かなりイベントが具体化した時点で「もっとドンズバなものを見たい」って事になったんですね。最後の最後にプロモーションしようって話にもなったので。

──イベントの開催場所は、最初から表参道ヒルズだったんですか?

青木 いろいろ考えました。プロレスができるところってなかなか難しくて、とはいえ、メジャー感のあるところがいい、とか。カミロボを知らなくても、とりあえずのぞいてみようかなっていう、そういう集客についても後押しが期待できるような場所がいいな、ってことで。で、わりと無理矢理に「表参道ヒルズ」にしたんですよ(笑)。結果としては、よかったですけど。実際やった時に、毎回満員で立ち見も出てましたし、その例えば120%のうち少なくとも20%の人たちってのは、ブラリとたまたま入って来た人たちだと思うし、それもあそこならではの効果だと思います。

──安居さん的には、会場については、決まった時にはどんな感じでした?

安居 決まった時というより、だんだん本番が近づいてくるにつれて、明らかに、決定的に、後楽園(ホールのイベント)とは違う部分が見えて来たんですけど。

──ほー、それは?

安居 それは、全体の流れの中に、自分も組み込まれるんだって事です。演劇のプロ、プロレスのプロ──ってのも変ですけど、それぞれのプロの中に自分も入ってしまうっていう恐ろしさに、途中から気づいたんですよ。例えば、「間もなくお客さん入れます!」って時に、準備し始めるじゃないですか皆さん。発声練習したりとか、身体動かしたりとか……自分やることないんで、じーっとしてるしかなかったし。決まった時は、ピンと来てなかったんですけど、だんだんやる事の内容が見えてくる感じで、当日がピークっていう。

──(笑)でも結果は大成功、でしたよね?

青木 そうですね。かなり独自のものができたと思うし……。


──後楽園との違いは、やってみてどうでしたか?自分の中の変化、とか……。

安居 僕なりに、例えば高校生の時には、段ボールで着ぐるみつくって、ビデオまわして文化祭でやったりとか、学生プロレスやってたりとか、子供の頃からコント作ってお楽しみ会やったりとか……そういう作ったものをつかって人前で何かするってことを、結構やっていたんですよ。でも、自分の中ではカミロボはその対極にあるものって意識してた。「これは人前でやっても、大して面白くないもの」って決めつけてたんで、ずーっと。でも今回のイベントをやって、一番内側にあったもんと、一番外側にあったもんが一緒になったみたいな感じがして。あんまり自分の中で分ける必要は、もうないんやなぁって思えたっていう。

──それは、後楽園ではなく、ブルーキラーが終わった後に強く感じたという?

安居 そうですね。それはやっぱり、さっきいったように全体の中に組み込まれたって事も大きいと思いますね。

──ということで、後楽園ホールが終わった後に、考え始めたカミロボ独自のものってのは、このブルーキラーによって達成できたわけですよね?

青木 できましたね。思っていた以上にできたと、終わった時は思いましたね。150%以上にできた、と。


──では、次は、どこに向かって走り始めているんでしょうか(笑)。

青木 ブルーキラーが終わった直後には、二人でちょっと話したりもしたんですけど、今はまだ模索中というところですかね。なんか、カミロボ本来のストーリーの中だけじゃなくて……。そう、当時話していたのは、メキシコの仮面ライダーみたいに──ミルマスカラスとかそういう人たちが、仮面ライダーみたいなことをやるじゃないですか──本物のプロレスラーが仮面ライダーのような活躍をしたりするっていうか。

安居 マスクをしたまま、そういう悪を倒すっていうか、出演してるじゃないですか。

──ほお〜……。

青木 カミロボのプロレスの流れとは、そもそも違うところの流れで、新しいものを見せるっていう。バードマンはバードマンのまま出てるんだけれども、プロレスとは一線を画すっていう。

──悪の組織と戦ったりするわけですか?

安居 そういうことですね。

青木 というのは、ありなんじゃないかなーっていう話は、当時してましたね。

──安居さんん的には、ありなんですか、そういうの?

安居 えーと、ありですね。これまで段階を追ってみせてきてるし、急にやるわけじゃないんで。

──今後ブルーキラーみたいなイベントを、小ユニットにして、あちこちで開催してみたいみたいな事もおっしゃっていたような気がするんですが……?

青木 それはすごく思っていたんですけど、今のところ実現はしてないですね。やっぱりあれは、うちが主催してやるっていうモノの中では、いろいろなものが積み重なってあそこまでできるっていう感じだったと思うんですよ。で、何もない、白紙(さら)なところからあれをやろうとすると、結構コストがかかりすぎるので、それが大きなネックにはなっていて、難しいといえば難しい。

──あれと同じような事を、小劇場みたいなところで、若干要素を圧縮したりしてやる可能性も、ないわけじゃない、と?

青木 そうですね。あのブルーキーラーの後に、タイミングよくやって行きたい気持はあったんですけど、ちょっとそのタイミングがズレちゃったんで、このままのカタチでっていうのは考えにくいかもしれないですね。ただブルーキラーのセットはとってあるので、展示とかそういうところでは使って行きたいと思っています。また、全然話は違いますけど、ブルーキーラーのあのセットをつかって、普通に居酒屋をやるのはいいな、と思ってますけどね(笑)。

──え、飲み屋をやるとか?

青木 実際にあるんですよ。普通の事務所みたいなところに、トビラをあけると何にもないのに、ぽつんと屋台がある、みたいなお店が。まわりにちょっとビールケースひっくり返して天板を置いただけのテーブルがあったりして、そこで飲み喰いするみたいな。

安居 京都に住んでてて、こーいう話を聞くといつも思うんですけど「東京ってのは、すげーなぁ」って(笑)。「そのなのもありか、東京は!?」って。

──いや、特別ですけどね、きっと……(笑)。最後に、今回のイベントは、かなり多くの人たちが関わる事で作り上げられた、という感じがあったと思うんですが。

青木 そうですね。最初三郷でリハーサルをやった時もそうでしたけど、日頃やらない劇団やプロレス団体の方々と一緒にやるってことで、いつもと違う緊張感が流れていたっていうか。そういう日頃と違う流れに身を置いて、みんなでまとめていったっていうのが、いい結果を生んだっていうのはあると思いますね。いい緊張感っていうかね。

安居 縁の下の力持ち的な事をすごく感じる事も多々あって、カミロボファイトの時に映像を担当してくれている「キャビア」(注:映像制作会社)の方々が、スイッチングをしながら、SE(効果音)を入れてくれてるじゃないですか。それと実況を混ぜて、っていう。その、なんというか、“バンド”みたいな感じっていうか、回を追うごとに信頼感的なものが増して来ていて。

青木 カミロボファイトは、もはや安居君だけじゃなくて、そうしたキャビアさんや、実況の入江さんとかの存在も欠かせないものになりつつあるな、と思いますね。

──特に安居さんと、実況の入江さんとの阿吽(あうん)の呼吸もね。

安居 ちょっと二人っきりで話す時あるんですね、ファイトの前に。で、「入江さん、試合についてちょっと思ってることあるんですけど、話しといた方がいいですか?」って。すると、入江さんは「いや、それはゆーたらあかん。今こんなところで聞く事じゃない!」って。僕的には、特に「ブルーキラー」の時みたいに、あんなにお客さん来てるのに、ここまでぶっつけ本番ってどうなの?ってところがあるわけですよ。ある程度方向性を決めておかないと、トンでもないことになる可能性だってあるわけじゃないですか。でも、入江さんはその度に「いや、あかん!」って(笑)。「その場で判断して、実況する!」っていうんですよね。

──まるで、ジャズのセッションみたいなことですね。

青木 そうそう。そこら辺がもうちょっと観る人に、先に伝わってるといいな、と思いますけどね。どうしても、いきなり観てる人たちにとっては、あらかじめ作られた世界って思われがちなので。


──生カミロボファイトとして一回目だった、勝どき(注:バタフライ・ストロークの運営する多目的スペースのこと)のイベントの後に、知り合いに言われたんですよね。「あれ、台本決まってるんですよね」って。「いやいや、SEも実況も、アドリブですよ!」って説明すると、かなりびっくりされたっていう。

青木 あの時は場所的な制約もあって、安居君が違うフロアでファイトをやってたりしたから、さらにそう思われやすかったっていうのもあると思いますけどね。まさにその辺ですよね。

──機会があれば、またさらに進化した何かがある、と。

青木 やりたいですね。

安居 カミロボの物語として世界観を具現化するって方向性と、福島のこむこむでやったような(注:2007年5月に開催されたワークショップ「カミロボエキスポinこむこむ」の事)、カミロボを紙工作として子供さんたちに伝えて行くっていう方向性……それぞれ表現できるようになってきてるんで、これからもやって行きたいな、と思ってます。

──どうもありがとうございましたッ!!

(対談実施日 2007年12月19日)