オモチャを戦わせて世界一を競わせたり、
家族のいろんな物語を浮かべながら、一人で人形と遊んだり。
ある物に自分自身をシンクロさせながら、
空想の世界を自由に駆けめぐる。
子供の頃、誰もが夢中になったひとり遊び。
安居さんは10才の頃から紙で作ったロボット同士を戦わせて、
以来20年以上、ひとり遊びを楽しんでいる。
その生き生きしたカミロボ達を見ていると、
ひとり遊びは現実のシミュレーションなのかもしれないと思えてくる。
様々な状況の中で、カミロボ達がどんな行動をするのか、
どんな気持ちで対応するのかを考える。
そして、コイツみたいにはなりたくない、
こんな風にできたらいいなぁとか思いながら動かす。
つまり、もともと安居さんが作った世界の出来事なのだけれども、
カミロボたちが起こす行動や心の動きを、
安居さん自身が疑似体験しているのではないだろうか。
そんな疑似体験は、すべてのひとり遊びに共通していることかもしれない。
どんな人間になりたいのか、何を大切に生きていきたいのか。
ひとり遊びによって無意識のうちに形成されているとしたら、
非常に重要なことではないだろうか。
大人になると、ほとんどの人は具体的なカタチでのひとり遊びはしなくなる。
しかし、時には頭の中で空想の世界にふけることはある。
それも現実へのシミュレーションを行っているのかもしれない。
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